格闘ゲームとゲームセンター

ゲームセンターの思い出① はじめての対人戦! KOF97(1997年)

中学生の頃、ゲームセンターは未知の領域

今回は、未知の領域を舞台にした20年以上前のお話。

まだ地元にゲームセンターが数軒ありました。

いまでは、1軒だけになってしまったけど、当時は格闘ゲームの熱気はすごかった。

厳密に言うと、はじめて外でゲームをやったのは、スーパーの屋上にあるゲームコーナー。

ここで小学校の帰りに内緒で少し寄った。

友達とこそこそっと行って、何で遊んだか覚えていないくらい。

はっきりと、ゲーセンに通ったのは、中学生の終わり。

地元の50円ゲーセンでした。

この頃のゲームセンターは、今とは違いまさに不良のたまり場。

妙に赤みを帯びた照らす気のない薄暗い照明、不良少年のふかすタバコで視界不良、筐体が視角を遮り店の奥が見えない。

こういう店がよくありました。

子供だった俺は、怖くて店内に入れず、店先にあったゲームで細々と遊んだもの。

そんな折にできた50円ゲーセン。

明るい照明に、店内禁煙、入口から店の奥までばっちり見える。

極めつけは1プレイ100円が通常なのに、半額の50円で遊べる。

ここではわかりやすく、便宜上、店名を「50」にします。

ゲーセンの店名は色んなのがあるので、もしかしたらこの名前のお店が実在するからもしれません。

ここでの「50」は仮名なのであしからず。

この情報は少年たちに瞬く間に広がり、

俺も「50円ゲーセンができたぞ」

この吉報に飛びつきました。

情報を聞くや否やその足で向かった。

黄色い看板のゲーセン50。

小さな店で、規模はコンビニ2~3件分の敷地。

店の前に自転車を止めて、いざ店内へ。

ゲームポスターだらけの自動ドアが開く。

ワッと広がるけたたましいゲーム音。

外とはうって変わり電子の騒音の波に飲まれる。

店内のいたる所に張られたゲームのポスターについ目を奪われる。

ゲーム音の爆音に驚きながらも店に入ると、すぐ目の前に人だかりの山。

筐体の周りをぐるっと人が囲み、後ろからでは画面が見えないほど人がいる。

軽く20人はいました。

大人もいれば高校生、中学生もいる。

なかには小学生も。

筐体は、2台のゲーム筐体を背中合わせに並べて1セット。

これが横にずらりと並べられている。

1プレイ側と2プレイ側の人は、筐体越しになり直接は見えません。

中には、1台の筐体に肩を並べて座るタイプもありますが、俺の時代では数が少なくなっていました。

人だかりができていたのはKOF97。

SNKが誇る餓狼伝説や龍虎の拳といった複数の名タイトルのキャラクター達が、ゲームの枠を超えて集まるお祭りタイトル。

いわばドリームマッチ。

もともとゲームは大好きな俺。

この当時やっていたのは、友達の家で出会ったKOF96。

格闘ゲームと言えばカプコンのストリートファイターシリーズが有名ですが、

俺はKOFに魅せられ、高純度のSNK派に育っていきました。

むしろKOF命。

そこでKOFの新タイトル、KOF97が50にあると聞き、急いで店まで走ったという訳です。

慣れないゲームセンターの店内で、どういう順番でゲームを始めるのかわからず、人の流れを観察しました。

どうやら筐体の席に近い順で、順番待ちをしながらギャラリーが並んでいる。

ゲーセン内でのルールなどわからない、けどKOF97をやりたい。

大人や年上の学生に交じって、少ないお小遣いを握りしめ並びました。

うちは、はっきり言って貧乏だったので、お小遣いもそう多くはありません。

1プレイ50円と言えど大金。

これでも友達の中ではKOFは断トツに強かった。

キャンセルもできたし、ラスボスを倒してゲームクリアもできた。

並びながら対戦中のゲームを見ていたが、今対戦している人たちは大して強くない。

連続技はミスるし、ピョンピョンと無駄に跳ぶ。

自分の番になり、自信満々で乱入。

ちらっと見えた相手は知らない人だけど、歳は近そう。

50円を入れて、キャラを選ぶ。

席に座ると、おかしい。

後ろで並んでいた時とは違う。

回りのギャラリーが見守る中、キャラクターを選ぶだけで緊張した。

キャラクター選択ですら失敗しそうになる。

そう、ゲームセンターの筐体は、家庭用機のコントローラーとは違いスティックレバー。

全く操作感が違うのだ。

ぎこちない操作で、KOFは3人のキャラを選ぶ。

3対3が売りの格闘ゲームだ。

俺はリョウ、庵、キムを選らんだ。

いざゲームが始まると、周囲のゲームの爆音と、人の目と、俺が操作するキャラの一挙手一投足に対するギャラリー達の会話が気になり、余計に緊張して動きがぎこちない。

俺の意識とは裏腹に、うまくキャラクターがうごかない。

レバーを後ろにいれてガードしたいのに、手が強張って、レバーを上に入れてしまい、すぐにキャラが跳んでしまう。

ピョンピョンと無駄に跳ぶキャラ。

キャンセルもうまくいかないし、一つミスするとまたミスをする。

コントローラーならうまくいくのに。

あんなに勝てそうだと思ったのに、いざやってみればぐだぐだの泥仕合。

たまたま出した技がたまたま跳んだ相手に当たり勝利。

勝った時に、ギャラリーから小さく笑い声が聞こえた。

実は、俺もさっき後ろで笑った。

見るのとやるのでは大違いだ。

ドキドキしながらの初めての対戦は勝利。

これが長い長い格ゲーライフの始まり。

まさか、このあと20年以上も続くとは中学生だった俺が思う訳もない。

すぐさま次の対戦相手が現れた。

乱入者を示すコメントともに、相手がキャラクターを選ぶ様子が見える。

相手の使用キャラの中にテリー・ボガードがいた。

餓狼伝説の主人公。

俺はこの時知らなかったけど、

彼はKOF97を代表するキャラクターだった。

そしてまさか、このキャラクターにこの店を追い出されることになるとは。

ゲームセンターの思い出② 洗礼のパワーチャージ! KOF97(1997年) へ続く